遊びの代償—— 谷は、山がつくる
先日、ブドウの世話をしていました。全然面白くありませんでした。「俺の人生は何なんだ」という種類のつまらなさがありました。
ブドウの世話は果物では最も工程が多いらしく、今は花切り(花穂整形)と種なし処理(ジベレリン処理)をやっている段階です。つまり、成果が出る直前の作業です。これさえ終われば、あとは収獲まで病気や鳥害を防ぐだけ。ほとんど終わりに近い、最後の山場です。
それなのに、首をかしげるほどつまらなかったのです。あのときの心の状態は、LoLの負け試合で悪態をついている中学生(本当は20過ぎてるけど🤓)と、ほとんど同じ状態でした。
なぜ、こうなるのか。あまりにも面白くなかったので、色々と考えながら作業をしていました。
そして思ったのです。
「直前のLoLでドーパミンを出しすぎていたからなのではないか?」
と。
本稿の見取り図
ドーパミンの序列
自分の生活におけるドーパミンの出方を、数字にしてみます(あくまで体感の桁感です)。
ハクスラ(PoEやトーチライト)……10000
LoL……1000
TFT……100
ファイナルファンタジータクティクス(FFT)……10
ブドウの世話……1
体感では、このくらいの差があります。
TFTが、リメイクされたFFTよりもはるかに面白いと気づいたときは、正直、愕然としました。名作と呼ばれる作品より、ブロンズ4のようにプレイするオートチェスのほうが脳に効く。これが現実です。
そしてブドウの世話は「1」。スパイクの反動で、ほぼベースラインまで下がりきった状態だと言っていいでしょう。
ちなみに私はLoLのレート増減に全然反応しません(TFTはするわけない)。
反応しませんが、それでも体感LoLのドーパミン度は1000ありますし、TFTも100あります。
なぜ「1」が地獄なのか
ここが本題です。
ベースラインまで下がった状態は、ただの「普通」ではありません。スパイクの反動で落ちた状態は、あまりに面白くなさすぎて、居心地が悪く、いっそ死にたくなります。「無」ではなく「マイナス」なのです。
証拠があります。ブドウの世話は、最初の1時間が一番つらいです。ところが2時間、3時間、4時間と経つと、だんだん苦痛ではなくなってきます。
これは、下がりきっていたドーパミンが、時間とともに基準値へ馴染んでいくからです。最初の1時間は、LoLとの落差が一番大きい時間帯にすぎません。作業そのものが地獄なのではなく、直前まで浴びていた刺激との「差」が地獄を作っていたのです。
「マイナス」には名前がある ── 対立過程理論
なぜ「無」ではなく「マイナス」になるのか。これも、ちゃんと名前のついた現象です。
心理学者のリチャード・ソロモンが唱えた対立過程理論(opponent-process theory)というものがあります。脳は強い快感(a過程)を浴びると、それを打ち消そうとして逆向きの不快(b過程)を自動で立ち上げます。バランスを取ろうとするわけです。この2つには時間差があって、a過程は刺激が消えた瞬間に消えますが、b過程はノロノロと遅れて残ります。
LoLを切った直後、楽しさだけが一瞬で消え、打ち消し用の不快だけが取り残される。これが「マイナス」の正体です。ブドウ畑で味わったあれは、引き算の答えがマイナスになっていただけなのです。
しかも、このb過程は遅れて立ち上がる分、遅れて消えます。だから最初の1時間が一番つらく、2時間3時間と経つと馴染んでくる。あれはb過程がゆっくり沈んでいく時間そのものです。気合や根性の問題ではありません。生理現象が片付くのを待っているだけです。
そして一番おそろしいのは、b過程は繰り返すほど強くなることです。同じ刺激を浴び続けると、快感(a過程)は鈍り、打ち消し(b過程)は育つ。つまり、やればやるほど高揚は薄れ、谷だけが深くなる。
これが依存の正体であり、「山が高いほど谷が深い」の機序(メカニズム)です。
「人生への憂い」の正体
私は幼い頃から、漠然とした「人生への憂い」を抱えていました。理由のない、底の低い気分。性格だと思っていました。生まれつきの、変えようのないものだと。
ですが、b過程は繰り返すほど深くなる――この一文を自分に当てはめると、別の絵が見えてきます。
もし私が、十年単位でドーパミンの山を掘り続けてきたのだとしたら。その間ずっと、打ち消し用のb過程を育て続けてきたのだとしたら。私の「人生への憂い」は、性格ではなく、掘りすぎた谷の底だったことになります。
「憂鬱なのは、ただ人生を楽しみすぎていたから」あまりにも格好悪いですし、そういった人間のほうが、確かに多そうではあります。
しかし、これは絶望ではありません。「憂いには出口がある」という話です。
対策は「報酬の振れ幅を小さくする」── そして、それは2300年前に終わっていた
ではどうするか。
答えは一つです。報酬の振れ幅を小さくすることです。
山が高いから、谷が深くなります。ブドウの世話が「1」で済めばまだいい。「マイナス」に感じるのは、その前に「1000」を浴びているからです。日常側を底上げするのではなく、ピークを削る。これが正しい戦略だと思います。
……と、ここまで考えて気づきました。これは私の発見ではありません。
古代ギリシアのエピクロスは、快楽を2種類に分けました。動的快楽(キネティック)と静的快楽(カタステマティック)です。動的快楽とは、欲求を満たすその瞬間の快――空腹を満たす、喉の渇きを潤す、そしてキルを取る瞬間。これは満たした端から消え、また欲しくなります。a過程そのものです。
一方、静的快楽とは、苦痛も欠乏もない、静かに満ちた状態のこと。エピクロスはこれをアタラクシア(魂の平静)と呼び、こちらこそが最高の快楽だと言いました。執筆しているときの、この穏やかさです。
つまり「報酬の振れ幅を小さくしろ」とは、アタラクシアの現代語訳にすぎなかった。
誰でもわかるエピクロスの主張
自然で必要な欲望(食べる、雨風をしのぐなど)→満たすべき
自然だが必要でない欲望(豪華な食事など)→ほどほどに
自然でも必要でもない欲望(名声、富、権力など)→捨てるべき
エピクロスが本当に恐れていたのは、貧しさでも快楽そのものでもなく、「際限のない欲求」が魂を乱すことでした。もう一戦、もう一杯、もう一段上のレート。満たすほど深くなる欲求の構造を、彼はワインも電気もない時代に見抜いていた。現代心理学が「ヘドニック・トレッドミル(快楽の踏み車)」と名づけたものと、同じ景色です。
※ いつも言うデュルケームの話はしないでおきましょう。
そして、このドーパミンスパイクは、ほぼ間違いなくLoLによってもたらされています。
私はスマホ依存ではありません。SNSや他人の投稿を見ても、そこまで面白くは感じません。対人希求性も低いので、人と遊んでも大して楽しくありません。消去法で残るのは、LoLです。
LoLが、3か月に1回のトーチライトを除けば、私の生活で唯一の巨大なドーパミン源になっています。
LoLでドーパミンが出る瞬間
では、LoLのどこでドーパミンが放出されるのか。
色々と見ていきましょう。
キルの瞬間
これは非常に強いです。
以前少しだけApexもやりましたが、全然ハマりませんでした。一方、LoLのキルの瞬間には確実に脳が反応します。効き方がまるで違うのです。
偶有性を楽しむ
もう一つの軸が「偶有性」です。やってみるまで結果が分からない、という快感です。
メインのブラッドミアをプレイする時は、はっきり言って全然面白くありません。準備していた通りにレーン戦をして、あとは味方のケツを拭くだけ。やることが定まっているからです。こういうものは作業感が強いです。
逆に、やったことのない組み合わせ。勝つか負けるか分からない。「今回の試合ではどんなヤバい味方がいるのか」これが面白いのです。
二つの快感に、名前をつける
ここで一度、整理しておきましょう。
社会学者のロジェ・カイヨワは、遊びを4つに分類しました。競争(アゴン)、偶然(アレア)、模擬(ミミクリ)、眩暈(イリンクス)です。スポーツはアゴン、ガチャはアレア、なりきり系はミミクリ、絶叫マシンはイリンクスです。
模擬と眩暈は、今回は脇に置きます。LoLを動かしているのは、アゴンとアレアの二つだからです(多分)。
さっき挙げた「キルの瞬間」と「偶有性」。これはバラバラの2つではありません。キルはアゴン(実力で相手をねじ伏せる快感)、偶有性はアレア(結果が読めない賭けの快感)です。LoLが脳に効くのは、この2つが同時に回るからです。タイマンで勝つのはアゴン。でもその勝敗が味方や相手のミスに左右されるのがアレア。アゴンだけならただの作業ゲーですし、アレアだけならただのコイン投げです。両方が噛み合うから、抜け出せません。
サポートが面白いのは、自分の力だけで勝敗が決まらない=アレアの比率が高いからです。逆に、手順が固定された動きはアゴンに振り切れていて、作業になる。このあとのチャンピオン別の話も、すべてこの「アゴンとアレアの配合」で読めます。
なぜ偶有性は、これほど効くのか
ところで、なぜ「偶有性」がこれほど効くのか。これにも明快な答えがあります。
神経科学者のヴォルフラム・シュルツが突き止めたのですが、ドーパミンは「報酬そのもの」では出ません。「予想と実際のズレ(予測誤差)」で出ます。予想通りの結果には、脳はほとんど反応しないのです。サルにジュースを与える実験で、最初は与えた瞬間に発火していたドーパミンが、予測できるようになると一切出なくなった――そういう話です。
つまり、結果が読めるほどドーパミンは死にます。「偶有性が面白い」は気分の問題ではなく、脳の仕様です。このあと挙げるブラッドミアやガレンがつまらないのも手順が予測できるから。上手いほど出ないのも、上達して結果が読めるようになるから。
当たって当然のノーチラスのフックより、当たるか分からないスレッシュのフックが気持ちいいのも、全部これで説明がつきます。脳が報酬を計算しているのではなく、裏切り(いい意味での)を計算しているのです。
ドーパミンが出やすいチャンピオン/出にくいチャンピオン
LoLの優れた点は、どのチャンピオンがどのくらいドーパミンを出すか、かなり予測しやすいところにあります。
上の画像はLOLALYTICSの2026年6月3日のデータです。
サポートは大きく二つに分かれます。ロームできるチャンピオンと、できないチャンピオンです。
上の表で言うと、セラフィーンとセナ、それからジリアンは、ちょっと向いていません。ロームできるチャンピオンのほうが、ドーパミンは出ます。
ジリアンはRが間に合うかどうか、という賭けがあります。これは誰でもドーパミンが大量に出ることが予測できるはずです。セラフィーンとセナも、出ないわけではありません。ただ安定している分、面白くはありません(特にセラフィーンは)。他より出にくい、という位置づけです。
ちなみにサポートでしっかり強いのは、ロームするチャンピオンではなく、レーンに居座るチャンピオンのほうです。そしてあなたが上手だった場合、マスター未満の試合ではセナを使うと圧倒的に勝てます。
フック系
スレッシュ、ノーチラス、パイクで比べてみます。
この中でQのフックが当たったときに一番気持ちいいのは、スレッシュです。当たり判定が細く、出るまでが遅く、モーション中のフラッシュも効きません。当てる難易度が高い分、当たったときの報酬が大きいのです。
脳が報酬ではなく「裏切り」を計算している、というシュルツの話そのままです。
ノーチラスは逆に太すぎるし、速すぎます。当たっても「当たって当然」なので、あまり気持ちよくありません。
パイクは溜め中にフラッシュが効きますし、近ければ短く押して対応できます。だからフックそのものはそこまで気持ちよくありません。
そうなると、やはりスレッシュでしょうね。当たるかどうか分からない=アレアが一番濃いからです。
結論。
フックはドーパミンが出ます。
ガレン
パッチ26.11現在、最強クラスのチャンピオンですが、面白いかどうかで言うと、あまり面白くありません。手順が決まっている場面が多いからです。決められたタスクを淡々とこなす感覚に近いです。トップレーン自体がアゴンに振り切れていて、アレアがほとんどない。
ガレンで一番面白いのは、集団戦で味方のAOEやCCが入ったところに、Eが複数人に当たる瞬間くらいでしょう。そんなにドーパミンが出るキャラではありません。
ブラッドミア
ブラッドミアで上手い下手が一番出るのは、レーンでのラストヒット精度です。序盤のファームをうまくこなせるかどうかに、勝敗のほとんどがかかっています。
テクニカルと言われますが、後半は最強クラスです。
部屋の全員と同じ実力なら、後半は無双してしまいます。それが面白いかと言われると、全然面白くありません。無双して当然だからでしょう。結果が読めてしまえば、予測誤差は出ないのです。
ケイル
ケイルで一番面白いのはレベル18でしょうか? 違います。レベル1です。
ケイルはLoL最強のレートゲームキャリーのため、統計サイトのマッチアップ勝率関係なく、序盤のレーン戦は全チャンピオンに対して不利です(ケイルにとっての勝率は、レーンで育ちやすいかどうかでしかない)。
ケイルを握って、これからどう育っていくのか、何が伸びてくるのか――そのスケーリングの過程こそが一番面白いのです。
完成形ではなく、育ちきる前の期待感が報酬になっています。これは「育ちきる前のアレア」を最後まで残せる、稀有な構造だと言えます。
まとめると
リー・シンとマスター・イー、どちらがドーパミンを出すか。どう考えてもリー・シンです。
操作の自由度が高く、結果が読めないチャンピオンほど、ドーパミンは出ます。手順が固定されているチャンピオンほど、出ません。この基準で、だいたい予測がつきます。
LoLは部屋の実力に比べて自分が上手なほど活躍できますが、上手であるほどドーパミンは出ません。読めてしまうからです。
ドーパミンを増幅させるもの
ドーパミンの強さは、チャンピオンや戦況だけでは決まりません。外部からの「ブースト」が乗ります。
カフェインと間食
間食やカフェインを摂ると、ドーパミンの刺激はより高くスパイクします。
私は昔から「ゲームをしながらコーラを飲む奴が、まともにプレイできた試しがない」と言っています。経験的に、本当にそういう人が多いのです。
これを長らく血糖値スパイクのせいだと思っていました。血糖値をグンと上げると、その後ガクンと下がります。下がった状態でLoLをやっても、全然勝てません。朝食を食べすぎると朝眠くなる、あれと同じで、あの状態で勝てるはずがないと。
ですが犯人は血糖値スパイクの他にもう1人いました。アンドリュー・ヒューバマン博士が言うには、カフェインを摂るとドーパミン受容体の感受性が上がるらしいのです。お茶やコーヒーを飲むと、つまらない作業でもまあまあ楽しくできるようになります。
問題は、LoLはそもそも面白い、という点です。つまらない作業を底上げするためのカフェインは有用でも、LoLに乗せると「楽しすぎて」しまいます。スパイクが余計に激しくなるのです。
私もカフェオレ(コーヒー)は飲んでいます。だから、これは改めたいと思います。
「もう一戦」という最悪のシステム
そして、一番まずいのが「もう一戦」です。
対策として、プレイ前に試合数を決めておくのは有効です。
ですが、この「もう一戦」というのは不思議で、勝っても負けても、もう一戦になります。
今その(試合を終えた)状態じゃないので全然わかりませんが、LoLというのは、確かにそういうゲームなのです。
3連勝した後の4試合目で勝てば、ドーパミンはさらに上がります。だからもう一戦。
逆に負ければ、ドーパミンは下がります。下がった状態は、最初に書いた「ブドウの世話の苦痛」と同じ、あの居心地の悪い状態です。つまりb過程の谷です。その谷を埋めたくて、また楽しいことをしたくなります。だからもう一戦。
勝っても負けても、もう一戦。これはもう、恐ろしいシステムです。世界一人気のあるゲームであるのも納得でしょう。
ついでに言えば、LoL中のBGMがスパイクに効く要素も整理できるはずです。
ですがこれは、次の機会に考えてみましょう。
私生活への応用── ルールは「禁欲」ではなく「自己の技術」
ここからが、本当に大事な話です。
私生活でもLoLでも、ドーパミンを出しすぎる行為は、非常によくありません。ギリギリ起動できるくらいのドーパミンがちょうどいいのです。あまりにつまらなければやる気が起きませんが、起動さえできれば、あとは穏やかに楽しめます。執筆はいつもそんな感じです。これがアタラクシアです。
断言しますが、LoLはスパイクさせずにプレイしたほうが上手くなります。報酬の振れ幅が小さいほど、メンタルは安定し、判断は冷静になり、「もう一戦」の沼にも沈みません。
このあと挙げる自己ルール――水だけ飲む、試合数を先に決める、熱くならない――を見て、禁欲的でストイックだと感じるかもしれません。ですが、ミシェル・フーコーが言うには、これは禁欲ではありません。「自己への配慮(le souci de soi)」であり、自己の技術です。
古代の人々にとって、自分を律することは我慢ではなく、自分という素材を彫っていく実践でした。試合数を決めるのは、欲望に蓋をする行為ではない。自分の脳の報酬設計を、自分の手で組み替える設計行為です。「水だけ」も同じ。剥奪ではなく、彫刻です。
ブドウの世話が地獄に感じたのは、ブドウのせいではありませんでした。その手前で1000を浴びていた自分のせいだったのです。そして、その自分は、設計し直せます。
LoL中にやってはいけない3つのこと
1. カフェイン・間食を摂りながらプレイする
2. 試合数を決めずに始める
3. 熱くなる
LoL中に摂取していいのは水だけ。
真っ当な人間ならば、平日は1〜3戦。
理由は省きますが、真剣に上達するならば、休日でも5試合です。
「熱くなるな」名言ですね、「俺のLoLもこのレベルまで来たか」と思ってしまいました。
谷を掘らない。これが、ブドウ畑と執筆机とランクマッチの、すべてに効く一つの作法です。
AI要約によるまとめ
ブドウの世話がつらいのは作業自体ではなく、直前のLoLで上げたドーパミンの「反動の谷」にいるからです。「無」ではなく「マイナス」の状態です。最初の1時間が一番つらいのは、LoLとの落差が最大になる時間帯だからです。
この「マイナス」はソロモンの対立過程理論で説明できます。快感(a過程)の裏で打ち消しの不快(b過程)が立ち上がり、刺激が消えると不快だけが残ります。b過程は繰り返すほど強くなる――これが依存の正体であり、著者の長年の「人生への憂い」も、性格ではなく十年掘り続けた谷の底かもしれない、という仮説につながります。
LoLでドーパミンが出るのは「キルの瞬間」と「偶有性」です。これはカイヨワの競争(アゴン)と偶然(アレア)にあたり、両方が同時に回るからLoLは抜けられません。偶有性が効く理由はシュルツの予測誤差で、ドーパミンは報酬ではなく「予想とのズレ」で発火するため、結果が読めるほど出なくなります。
ドーパミンの出やすさはチャンピオンで予測できます。操作の自由度が高く結果が読めないほど出やすく(リー・シン、フック系=特にスレッシュ、ロームサポート、育成期のケイル)、手順が固定されているほど出にくいです(ガレン、ブラッドミア、マスター・イー)。上手であるほど活躍できますが、上手であるほどドーパミンは出なくなります。
カフェインと間食は受容体の感受性を上げてスパイクを増幅します(ヒューバマン博士)。最も危険なのは「もう一戦」で、勝っても負けても発生する沼です。
結論は「報酬の振れ幅を小さくする」こと。ただしこれは著者の発見ではなく、エピクロスの快楽二分法(動的快楽 vs 静的快楽=アタラクシア)の現代語訳にすぎません。「もう一戦」は、エピクロスが恐れた「際限のない欲求」=ヘドニック・トレッドミルの完成形です。
そして、水だけ・試合数を先に決める・熱くならないという自己ルールは、禁欲ではなくフーコーの言う「自己への配慮」、自分という素材を彫る自己の技術です。山を高くしなければ、谷も深くならない。これがブドウ畑にも執筆机にもランクマッチにも効く、一つの作法です。
あなたが日常生活で、不可解なほどに不快な瞬間があるのであれば、LoLを疑ったほうがいいです。
「楽しみすぎているのではないか?」と




